読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

aoi’s blog

双極性障害II型の近況メモになりつつある

忘れる

雨が降っている時に、行って、帰る時には、止んでいた。だから、傘を忘れて帰ってきた。次の日まで思い出さなかった。

わたしがここを離れる前のこと、とってもつらい出来事が起きた。ある人は前と同じように過ごすことに努めたし、ある人は楽しいことだけを思い出すことにした。そうやって、いつもの生活に戻ってきた。わたしはいろんなことを考えてしまったから、戻るのには時間がかかった。
そして、いちばん近くで辛いことを見た人がいた。その人はずっと悔やんでいた。どうしてだって何回も言った。
わたしにとって、離れる前の出来事は過去だった。でも、この人にとってはつい最近の出来事なのかもしれない。時間の流れる速さが違うのだ。

そう思っていた。
ある時から、その人は、どうしてだって言わなくなった。
いろんなことを忘れはじめた。
辛いことから忘れはじめた。

わたしは辛い出来事に向き合って、乗り越えたつもりでいた。でも、ただ、見ないことにしただけ、過去のことにしただけだった。思い出せば泣いてしまう。

その人はあの出来事に正面から向かいあっていたに違いない。わたしが離れてからもずっと。過去にいたのでは無くて、時間が続いていたのだ。
そうしているうちに、時間が足りなくなった。
理不尽なことはとにかく多すぎる。取り返しのつかないことも多すぎる。とにかく多すぎる。ひとりの中には到底収まりきれない。

そうだ。忘れよう。
辛いことから消していこう。
そうでもしないと、いっぱいになって、破裂しそうだ。

きっと、そうして忘れていったのだろう。みんなは忘れることを嘆く。でも、わたしはそうは思わない。自分を守るために、忘れることにしたんだろう。忘れてくれてよかった。いままで覚えていてくれてありがとう。

わたしが戻ってくることは忘れていなかった。わたしが帰る時間は何回も聞いた。
覚えていたいことだけ、覚えてたらいいんだ。きっと。